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「ミハイの言う通り、本当に酒は美味いんだよ。ただ、今夜は何となく落ち着かないというか、妙な予感がするというか。」
予感?神様にもそんなものが?
いわゆる予知というものだろうか。
神様絡みなら、何か大がかりなことがあるんじゃ?
俺が心配そうに見ていると、何やら外から声が聞こえてきた。
「たぶん、ここだと思うんですが。」
え、女性?
「自分、確認してきましょうか?」
男性もいる。
え、人間か?ヤタ、どうして鳴かなかった?
俺はカウンター越しに身を乗り出すように入り口を見た。
ミハイさんも気になるようで、グラスを置いて視線だけ走らせる。
逆にウカさんが俯いているのが気になる。
「わあ、カラスがいる。面白いお店ですね。」
ヤタのことだと思うが、本当にどうして鳴かないんだヤタ。
「あの、ウカさん。」
「泉実。俺は人間で常連のウカだから。」
「はい?」
「ほぼ完全に神気を抑え込んだから!いいね?」
「は、はい。」
どういうことだ?
訳が分からないでいると、入り口の引き戸が開いた。
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