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「あのー・・・すみません。お店、やってますか?」
「いらっしゃい。やってますよ。どうぞ。」
そこには二十歳前後の柔らかい雰囲気の女性が立っていた。
ともすると、十代にも見えかねないが、成人だよな?
淡い水色のワンピースにカーディガンを羽織っている。
その後ろから、今度は大柄な男性がぬっと入ってきた。
さっきの声はこの人か。
体も大きいし、顔のパーツ一つ一つも大きい。
手前の女性がすっぽり入ってしまいそうなほどだ。
年齢は30代後半だろうか。
年齢差がありそうな二人に見えるんだが、兄弟ではないよな?
「テーブル席でもカウンター席でも、お好きなところにおかけください。」
「はい。天空さん、どっちにします?」
「百々さんの好きな方で。」
2人の会話から、女性の方は「百々」さん、男性の方は「天空」さんというのが分かった。
「じゃあ、カウンターで。ご挨拶しないといけないし。」
はて、ご挨拶?
2人が中に入ると、なんとウカさんがそっと左側、ミハイさんの隣にずれた。
これには、ミハイさんも絶句して固まっている。
「あ、すみません、開けていただいて。」
女性の方は、ウカさんが気をきかせて席を広くしてくれたのだと思ったらしく、ぺこりと頭を下げた。
澄んだ爽やかな話し方をする人だなあ。
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