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最悪、自分だけでも日帰りで東京に、でも名刺に書いてある開店時間が午後9時って遅すぎる・・・やっぱり1泊かなあ・・・
大おばあちゃんの願いを叶えてあげたいし・・・かといって天空さんに無理矢理休みをなんてわけにもいかないし。
そう思っていた百々だが、ちょうど夕食時に合わせたように帰宅した天空から青天の霹靂のような言葉が告げられて絶句した。
「百々さん。これは一子さんの案件でしょうか。」
「はい!?」
「帰宅前に上司に呼ばれ、来週2日間休暇を取るよう言われました。その上司も何故そんな話になっているのかわからず、何やらもっと上の方からの通達らしく。」
「お、お、お、大おばあちゃーん!何やらかしたのー!!」
これは絶対に一子が裏で手をまわしたに違いない!
一子のもつ人脈の中に、県警までも入っているのだ。
叫びながら駆け込んできた百々に、一子は「百々ちゃん、はしたないですよ。あなたもう二十歳になったのですから。」などと言いながらふふふと笑う。
「大おばあちゃん!天空さん、来週お休みもらってきたんだけど!」
「あらまあ、ちょうどいいこと!旅行にいってらっしゃいな。」
「大おばあちゃん、誰に連絡したのよう!!天空さんに迷惑かけてぇぇぇ!!」
頭をかかえる百々。
何食わぬ顔でほほほと笑う一子。
どうあっても勝負は目に見えていた。
食事の席で、天空と両親に事情を簡単に話す。
詳細は省き、一子が百々たちを1泊2日でいいから新婚旅行に行かせたいと希望していること、東京なら新幹線で行き来が楽なこと、もし東京に行ったのなら知り合いに挨拶してきてもらいたいということなどを伝えた。
亡くなった祖母が発端だということは省いて。
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