託された・最期の思い

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そう考えた俺は運転免許証の裏面に早速記入した。 眼球は今までこの世界を俺に見せてくれた大切なところだよな〜と思うとちょっと抵抗を感じたからバツ印をつけ、その他の臓器は可能とした。 俺は煙草は吸うし酒も飲む。 こんな臓器でも使える部分があるのか疑問を感じたが、きっと判断はプロの人達がしてくれるだろうと軽い気持ちだった。 それよりも記入したことにより、いつか人の役に立てるかもしれないという高揚感にも似た気持ちが優先していた。 記入した運転免許証を見て俺は満足していたことは鮮明に思い出せる。 その運転免許証がこのタイミングで現れるとは思わなくて面食らったが、俺の中の臓器が誰かの役に立つならそんな喜ばしいことはない。
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