託された・最期の思い

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「私達にとってあの子は大事な息子なんです。悠斗はこのままの姿で見送ってあげたいんです。」 俺はハッとした。 両親が自分のことを考えていなかった訳ではないことに気づき、胸が苦しくなる。 それと同時に臓器提供という問題は自分だけの考えだけではなく、自分のことを考えてくれている人にも降りかかる問題だと。 臓器移植コーディネーターは言った。 「悠斗さんは脳死なため臓器提供は可能であり、悠斗さんも自ら望んで記入されたのだと思います。しかし、家族の同意は必要ですし強制することはできません。あまりお時間はないと思いますが少し考えていただけますか?」
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