託された・最期の思い

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と言うと溢れ出る涙を構うことなく俺の遺体の手を握り締めた。 「悠斗な、臓器提供しようと考えていたらしいんだ。」 父親は言うと 「兄貴が…?」 と弟は驚きを隠せない様子だった。 しばらく弟は俯き何か考えてるようだったが、両親は何も言えず佇んでいた。 「父さんと母さんはどう思ってるんだ?」 「お母さんはね、死んでからも悠斗を傷つけるなんて…そんなこと考えられないわ。お父さんも悠斗はそのままの姿で送ってあげたいって。」 「でも、兄貴の最期の望みなんだろ?」
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