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俺、相良 悠斗は今日死んだ──
会社で初めて新人教育を任されるようになったが、そいつは遅刻を平気で繰り返し悪びれた様子もない。何度注意してもだ。どうするべきか迷ったり注意の仕方に凹んだり怒りを覚えてムシャクシャして…
頭の中はそのことでいっぱいだった。
帰り道の途中、いつも歩いている横断歩道の信号がまさか赤だったとは気が付かず猛スピードの車に跳ねられた。
病院に運ばれたが、そのまま助からなかったみたいだ。
俺の21年は呆気なく生涯を閉じ、今は真白い布を顔にかけられた自分を病院の天井あたりから見下ろしている。
泣きじゃくる母親に静かに俺を見つめてる父親がそこには居た。
何だか申し訳ない気持ちが込み上げて来る。
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