花と線香手に持って…

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花と線香手に持って…

それはそれはそんなに昔ではない話。 夏の日差しの中。 私は山道を登っていた。 花と線香を手に持って。 もしもしと言いたいところだが、頭から伝う汗が口を塞ぐ。 拭っても拭ってもきりがない。 今年もやって来た。 恒例の墓参り行事。 地獄の裁判に関わるだろう、ご先祖様に敬意を払って私は登る。 ふと思う。 寧ろこちらはお迎えに来て欲しいものだと…。
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