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謎の羽
2017年
8月の終わり頃、
イギリスのクイーンズ大通りの森の茂みにて……
土の中から1人の男が出てきた
「何年経つだろうか……あの日からかなりの日数が経過したな…」
この度15年振りに土の中から顔を出したのであった。
男はすっと腰を上げて人目のつかない森の奥を歩き始めそっとボヤいた。
「新時代の適任者を探さなくては…」
2018年
4月の頭ごろ
日本の東京都にて
桜が綺麗な見頃の季節で花見がぴったしのこの頃に、それをはねのけるようなとある不思議な噂が街を飛び回っていた。
「計り知れない程の重さのある羽がある」
「直接手で持ち上げると全く手に負えないが、物を介して持ち上げると軽々しく持ち上がるらしい」
「長さは30センチくらいあって、秤で測っても重さ1gも無いんだとさ」
「それでも人の手では持ち上げられないって話」
噂は噂を呼び、さらに巻き上がって行った。
「はぁ、こんなに綺麗な桜が咲いてるってのに世間は羽の話ばっかりか。」
そんな中、羽に関するネットニュースを見ながらため息をついている少年がいた。
彼の名は「辻 雄介」
大学を中退してフリーター生活をおくっている
今、電車で美術館の清掃スタッフのバイトに向かっている最中だ。
電車は丁度桜道を通っているところだった。
見つめていたスマホから顔を窓に近づけ、辻 雄介は過ぎ去っていく桜を見つめた。
「はぁ~綺麗だなぁ~」
電車は中目黒に到着し、電車を降りた後も桜はさんさんと咲き誇っていた。
「よし。気合い入れてバイト行くか。」
辻 雄介は気合を入れてバイトにのぞもうとした。
バイト先の美術館には、仲のいい友人がいる。
友人の名前は、「田中 留」
関係は高校以来の付き合いになる。
「よぉ!雄介!2週間ぶりだな!
俺はその間風邪ひいててヘロヘロだったぜ」
「久しぶり留。体調はもう大丈夫なのかよ。心配かけさせやがって」
「心配してくれるのはお前くらいだぜ。ありがとよ。もう平気だ。
それより羽の話しようぜ!また新しい情報が出回ってるみたいでよ!!」
辻雄介は内心「こいつも羽の虜か」と密かに思った。
「そうか、、羽はあんまし興味ないしな。。」
辻 雄介は適当に返事を返した。
そんなたわいもない会話をして2人は仕事に取り掛かった。
午後10:00頃
人目につかない美術館裏で怪しい3人取り引きが行われていた。
「本当に例のブツはあるんだろうな」
「あぁバッチリさ。間違いなく本当だ」
「あの伝説の羽がこんなところでお目にかかれるとは……」
「この1枚羽のために20人は犠牲にしたな。とんでもないプレミアがついているもんだから。」
「激戦だったのか」
「かなりな」
そして、布を被せられたお盆の布を引き抜いた。
するとそこには、赤く長さ30cmほどのきらびやかな1枚の羽があるのではないか!
「おいみろよ…苦労したかいがあったな」
「いくらで売れるんだろうかこんな代物」
「そこら辺のダイヤモンドより高い値はつくぜ」
「俺持ち上げてみてもいいか?」
羽はやっぱり持ち上がらなかった。
「エレメンター伝説は本当だったのかもしれない」
「おい、エレメンター伝説は確証の無さすぎる噂のはずだぜ」
「この羽はエレメンターTの一部なんだ!きっとそうだ」
一人の男が裏世界で出回っているエレメンター伝説について語り始めた。
「大地、空、海を操り、あらゆる自然現象を物にした男が存在するって話だ。
頭の天頂とこめかみ部分の3箇所に3枚の赤い羽をつけていると言われている」
「確か、調和をたもってるんだったよな」
「そうだ。この羽を研究していくことで、エレメンターTの力に通ずる何かを見つけられるかもしれない。もし、それが成功してこの世の自然現象を操れるようになったら……」
「俺たちは勝ち組だ!!!
天気を取り引きできたりするかもな!!
大儲けだぜ!!!!」
男たちは美術館裏で密かに盛り上がっていた。しかしその時!
「おい待て!!羽根はどこにやった!!??」
「さっきまでこの盆の上にあったろう!!どこにいった!!!」
「そこら辺に落ちてるんじゃないか??探せ探せ!!!」
「だめだどこにもない!!」
「どこへ行ったぁ!!!???
どこへいったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
!!!!!」
終業時間
辻 雄介と田中 留は仕事を終え、ロッカーの前に屯していた。
「雄介、おつかれ!!」
「こちらこそ、おつかれ」
「雄介、お前将来の夢とかある??」
「夢かぁ…特にないな」
「寂しいやつだな!おいおい!」
「お前はあるのかよ、なら」
「俺は自衛隊に入りてぇ!人を守る職につきてぇとおもってる」
「ほぉ、立派な夢だな」
すると雄介はタオルを館内の展示場に忘れたことに気づいた
「すまん。先帰っててくれ。タオル忘れた」
「そうか、ならお先失礼するぜ。それじゃ」
「おう」
それから雄介は、展示場までもどってタオルを探していた。
「お、あった」
雄介はタオルを拾い、展示場を後にしようとした。その時、
「あれ、足元に赤い羽根が落ちてる。展示物かな?」
雄介は羽を#__拾った__#
「でかい羽根だな。30センチはあるぞ」
すると!
「何だこの羽光ったぞ!!うわ、
体に電流が流れてくる!!なんだこれは!!」
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