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「そんなとこに突っ立ってないで早く休憩にしようぜ。あー、マジで疲れた」
「スギナが音を上げるなんて珍しいねぇ」
「朝からずっとやってるんだぜ? そりゃ疲れるっつーの」
そう言いながらもスギナはのっそり立ち上がるとソファーの前に折り畳み式の小さなテーブルを広げてくれた。慈乃とウタセもそこに持っていた皿やお盆を置く。
「それじゃあ、おててを合わせていただきます」
「いただきます」
ウタセの号令に合わせて慈乃とスギナも手を合わせて挨拶をする。
物音や香りにつられて、ラジルの他にもフユ、ツユ、ラナも起きだしてきた。彼らにもクッキーをあげながら、慈乃達も一息つく。
「うん、美味しいね」
「疲れた身体に沁みるな……」
ウタセとスギナの言う通り、ニアの手作りクッキーといれたてのホットココアは集中と緊張から疲れていた身体をじんわり癒してくれるようで、慈乃はほっと一息ついた。子ども達も機嫌よさそうにクッキーをかじっている。その光景を目にするとますます心が安らいだ。
「癒されるねぇ」
ウタセも同じことを思っていたらしくほろりと目元を和らげる。スギナも優しい眼差しで子ども達を見つめていた。
「こういうのを見てるとさ、靴下作るのは大変だけどなんでか頑張れるんだよな」
「そうだよね。ちなみにあと何個作ればいいの?」
「あと四つくらい。シノもいるし、今日中には終わるんじゃねぇかな」
「が、頑張りますね……!」
お腹も心も満たされて、三人は靴下作りを再開させた。
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