0人が本棚に入れています
本棚に追加
おおかみしょうねん
※軽度の虫表現注意
可愛い襟付きの桃色ワンピース。ヒルガオのように広がるスカートに、ウジャウジャと這う何匹もの真っ青なイモムシ。
「イーモムシケームシー!」
気持ち悪さに泣き叫ぶばかりの女の子に、男の子の意地悪な声が降り注ぐ。
「真っ白パーンツー!」
男の子に制服のスカートをめくられて、女の子は廊下を走り去っていった。
「お前なんか嫌いだよー!」
女の子は特に表情も変えず、言った。
「嘘」
男の子は凍り付く。
「私がアンタなんか大嫌いなのは、本当」
女の子だった女は、別の男に手を取られ、ヴァージンロードを踏みしめる。女の誰かとの永遠の誓いを聞きながら、男の子だった男は泣いた。
Twitter300字SS 第四回過去お題より……「嘘」 (本文278字)
最初のコメントを投稿しよう!