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ある民家の家で、赤ん坊が産まれた。
元気の良い双子の赤ん坊。
幸せに裕福ではないが、慎ましく、暮らしていた双子。だが、ある日……事件は起きた。
二人は赤ん坊の頃、街で母親達と、買い物にしていた時に、双子の一人を誘拐されてしまった。
そして……双子の一人は、もう一人を探すための冒険の途中、魔族退治への伝説へと、向かった。
「なんてコトはないよね」
ため息を吐き、農家の牛の為の掃除ブラシを持ちながら、水の入ったバケツを持ち仕事をしていた。
「オーイ? ルルフ? そんな事しなくて良いからお城に向かうための支度をしなさい」
「はーい」
この時代は、冒険者の勇者が魔王に倒されて、魔族が暮らす世界になってしまった。だから、村人的な立場の人間は、肩身のせまい生活をしてる。
まあ、大体の勇者も、人の家にどかどかと、入って、金品をしらっとした顔で盗んだり、物を壊したり等々とした行動を、寄り狂暴にしたのが、
今の調子のったイキッた魔族だったりする。
人間じゃなきゃ、煽られたりも虐められたりもしないのが、今の世の中。
「お城の護衛かぁ……。本当は、牧場でこのまま働きたいのは、山々だけど……仕方ないよね」
田舎の牧場。この田舎では、田舎過ぎて勉強出来る環境が、都会の街にしかないので、若者が、村を出る人が多い。
ルルフも、その一人である。
何人かは、家業を継ぐために、勉強しに行って帰ってきたりしてる。ただ……、あまり乗り気じゃない者もいる。その理由は……。
「……嫌だよ! 人間ってバレたら、奴隷にされちゃうかもしれないんだよ。母さん。こんな、息子が可哀想と思わないの!」
「何を今さら……言ってんだい。ルルフちゃんは、女の子なのに、お城の護衛しに行くんだよ。男のあんたがシッカリしなくてどおすんの」
へっぴり腰の男性の背中を叩く。母親と思われる女性。呆れたように、息子を情けないとため息吐いてる。
さっさと、明日の支度しなと、鞄を指差してる。お隣さんのワマクスさん家。フラワービーという名の(羽がお花みたいなので)大人しい蜂を育ててる。
蜂蜜農園をしているので、よく蜂さんを、果樹園に運んでいる光景が日常茶飯事。
他の果樹園も蜂に受粉して貰って、人手は助かるし、蜂の蜂蜜の種類も増えて一石二鳥。
「ルークスも大変だね」
「ルルフは、いいじゃないか。お城の護衛なんて楽そうじゃないか。敵なんて滅多に来るわけ無いし、どっちかって言うと、僕らの方が立場は、危険なのに」
「仕方ないでしょ。生活していくにはね」
フラワービーがせっせと、働いているなか、街に行きたくないのかルークスは、愚痴ってる。
資格を取るために、街に絶対に行かないと家を継げないのだ。
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