№11

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スワさんは社内人気ランキングナンバー1のイケメンだ。 背は高く、顔も整っている。 性格も悪くはないと思うが、ただいつも自信に満ちている。それが私にはギリシャ神話のアポロンの様に見えてまぶしすぎるのだ。 「俺、これで終わりだけど夕飯でもどう?」 「すいません。これから用事があって」正直に断った。 「本当に? ふたりきりだけど」ニヤリとして、俺と二人きりなんて嬉しいだろという雰囲気を出している。 暫く考える。もしスワさんが結婚相手なら、仕事はできるし、収入も安定しているし、見た目も良い。母親、同僚に自慢できる。踏ん張りどころかもしれない。マンガメイトは明日にしよう。 「じゃぁ、お願いします」 私はスワさんの後ろをちょこちょことついて行った。 スワさんはまるで私などいないように先に進んで行く。 スペイン居酒屋の赤い重厚な扉を自分で引いて開けて中に入る。 何故、一緒に並んで歩かないのだろうか?  そういえばマミもスペイン居酒屋に行こうと言っていたことを思い出す。人気 がある店なのだろうか。 混雑しているが、テーブルは辛うじて空いていた。 スワさんは「ビールでいいね?」と二つ注文する。
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