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「ごめん。今日は本屋に寄りたいから」 「全然いいよ。マミも一緒に行く。その後にスペイン居酒屋に行こうよ」 ギョッとする。全然よくないよ、一緒に来てもらっては非常に困る。 「待ってもらうのは申し訳ないよ。時は金なりって言うでしょ」 「気にしないで。マミも久しぶりに本屋さんに行きたい気になってきたし」 行きたい気にならなくて結構よ、と脳内音声。 「でも、悪いよー」と粘って誘いを断ろうとする。 「マミが良いって言っているんだけど。マミのことが嫌?それとも何か見られたくないような本でも買うの?」 マミは表情無く私を見た。 怖い。これが本当のマミだ。彼氏も本性に気付いて別れたいのだろう。 「はい。あなたのことは苦手ですし、見られたくないような本も買うつもりです」などと言えるはずもなく、「分かった」と頷いた。 「じゃぁ、エントランスに18時ね」 マミはスカートの裾をフワリと揺らして個室に入っていく。 私はガックリと肩を落として、デスクに戻った。
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