№4

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№4

繊細な模様が描き込まれたきらびやかな衣装を輝く被毛の白狼がまとい、色とりどりの宝石に囲まれていた。 『神獣伯爵さまはネコの僕を離さない』タイトルの意味は全く理解できなかったが、神獣とはこの白狼のことだろうと思った。 白狼が猫を飼う話を、猫サイドの僕が語った『吾輩は猫である』的なマンガだろうと思った。 購入して帰途に就き、眠る前に読み始めた。眠かったはずの脳は完全に覚醒した。 絵の美しさと繊細さ、背景の隅まで手を抜かず描き込まれていた。 神獣伯爵さまにノンケの僕がネコとして調教される話は、エッチで乱暴、そして凶暴な中にも、種族を超え、同性を愛する二人の姿に打算や損得のない真実の愛があった。登場人物の感情に引き込まれた。 芸術作品だ。やかん先生は紛れもない天才だ。 それから私はたくさんのBLマンガを読み、順調にBLの徳を積んだ。BL好きはみんなには内緒だ。
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