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№5
マミの誘い断る方法をパソコンの前で考えていた。
「イズミさん、ちょっといい?」と課長から声を掛けられた。
サボっているのが分かったのか?とヒヤヒヤしながら課長のデスクに近づいた。
「来週月曜日に予定していた社内会議が明日に繰り上げ開催されることになって、今日中に会議用資料を作成しなくてはならなくて、手伝ってもらえないかな?」
「はい。もちろんです。あの、申し訳ないですが19時30分まででも良いでしょうか?」
「こちらこそ申し訳ないね。助かるよ」
やったー! 残業の命令は渡りに船だ。これでマミの招集を断ることができる。
残業してもマンガメイトは20時までだから19時35分に会社を出れば閉店時間には間に合う。
マミにメールで「残業になった。今日はごめん」とだけ打ち、資料作成に集中した。あっという間に昼になった。
昼は冬と天気が悪くない限り外に行く。
外と言っても外食ではなく、会社の横にある公園で簡単な昼食を取る。その公園は遠くから見るとブロッコリーみたいに見えるくらいにこんもりと大木が茂っている。
コンビニで緑茶とおかかのおにぎりを1個買って、公園のベンチに座って見上げる。夏の植物は命のパワーをガンガンに発している。人間は暑さでヘロヘロに参っている。全くもって反比例している。
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