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№1
BLの鬼才やかん先生の『神獣伯爵さまはネコの僕を離さない4』
入荷のお知らせがマンガメイト イコマ店のSNS にUPされている。
アニメ・ゲーム販売業界最大手のマンガメイト特典は作者書下ろしポストカードだ。
「欲しい。神獣伯爵さまぁ、絶対に仕事の後にマンガメイトにお迎えに行くから待っていてね」脳内音声する。
スマホをポケットにしまいトイレの個室から出ると、同期のマミが丁度入ってきた。
「イズミん、お疲れさまぁ」
「お疲れ様」
脇を通り抜けてデスクに戻ろうとしたが、マミは私の前に立っている。
「どけ。急がしいのだ」と思う。
マミの足元を見ていたが、場所を空ける様子がないので視線を顔に向ける。
マミの全身が目に入った。
相変わらず The 女子 だ。可愛く見せる自己プロデュースが本当に上手だ。
私はといえば、没個性を個性としている。
「先週、彼氏とケンカしちゃって。今晩、相談に乗ってくれない？」
「え？今晩？明日ではダメ？」
「明日は、彼氏と話し合うことになっているの。だから、ね？」
ね？分かるでしょ？今晩が絶対だから、断ることは許さない。
マミはいつも高圧的だ。
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