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朝テレビのスイッチを入れると、ニュースキャスターが「おはようございます。世界の終わりまであと七日になりました」と言う。
だからノアは、今日が「旅立ちの日」だとわかりました。
ホログラムのキャスターが言葉を続けるなか、準備を始めます。
――ワシがいる場所へまでは、ここから七日ほどかかるだろう。世界が終わってしまうまえに、こちらへ来なさい。
「はい、ハカセ」
今は近くにいないひとに向かって、ノアはそう答えます。
日野イタル博士。
ノアにとって、たった一人の家族です。
ハカセは優秀な研究者だったので、「世界の終わり」について考えるため、遠くの町に行ってしまったのです。
残されたノアはハカセの帰りを待っていましたが戻ってくることもなく、世界は終わりを迎えてしまいました。
ノアは言いつけどおり、ハカセが待つ「昼の町」へ向かうことにしました。
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