終章. 大切な旅

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6時間に及んだ手術は無事成功した。 朋子の意識が戻る。 すぐ左に美穂がいた。 「お母さん、助けてあげれなくてごめんね」 成長途中の美穂の肺では、肺活量がたりず、二人共に命を落とす可能性が高かった。 「でも、お兄さんが助けてくれたよ。知らなかったけど、嬉しい」 (正弘が?) まだ動けない朋子。 「大丈夫、隣で眠ってるから」 そこへ、咲と病院の会計士が入って来た。 「良かったね美穂」 「ありがとうございました」 「朋子さん、正弘さんの刑は軽くて済むから、任せて」 会計士が咲を促す。 「美穂さん、カズさんから貰ったお土産を貸してくださいな」 袋を受け取り、部屋を出る二人。 「全く!もうそれなの?」 「すみません、仕事なので…」 「はい!」彼の足元に袋を置く。 「いやいや、そうゆうものじゃなくて…」 「何を勘違いしてんのよ、これで足りないって言ったら、ボッタクリでぶち込むわよ!」 お菓子の入った袋を抜き取る咲。 (軽っ!) かぶせてある布をめくった。 「えぇ〜っ⁉️」二人同時に叫ぶ。 ざっくり見て、一億円。 「で…では、後ほど…」 電話で和義から聞いてはいたが 想像を遥かに超えていた。 (あの娘、こんなの持ち歩いてたの…) 🔹 完 🔹
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