第二章16「強い者と弱い者の証明」

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 すると楽しそうな雄叫びが耳に入り、タクミはそのまま窓の横に隠れながら外の様子を伺った。 「さて、どうしよっかなァ」  今外ではセンが表の広場で周りの造形物を派手に壊しながらタクミの仲間と闘っている。相変わらずの腕力だ。あの馬鹿力の上、体力も底を知らない。動物的勘でいつもタクミの攻撃を避けるから、センとの戦闘はいつも拮抗してばかりだ。これだからセンとの戦闘は楽しいのだ。  それにしても周りに見張りを置いていたはずなのだが、あいつらは何をしているのか。まさか全員倒されたとでもいうのだろうか。  タクミは軽く舌打ちをして、懐から単眼の小型の望遠鏡を取り出し、窓から少し顔をのぞかせた状態で外の状況を再度確認する。  外にいた見張りの姿はない。いるのは表で戦っている楽しそうなセンとその仲間たち、あとは拠点から応援に出たタクミの仲間が交戦している姿だけだ。あの白銀髪の女の姿とウェジットの姿がない。 (読みが外れたかな?)  王子を連れ去った後、むしゃくしゃしてセンのいるアジトを襲撃した。そしてその後にあの白銀髪の女もタクミを追って現れた。となると、当然センと協力して攻めてきて、同時に楽しめると思ったのだが。どうやら読みが外れたようだ。  さて、どうするか。  センと闘うのも悪くないし、このまま降りて戦うか。昨日の戦闘の決着もついてないし、それかこのまま不意打ちで一撃食らわせるのも悪くない。ここからならセンの背後を確実に矢で射抜ける。
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