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襲撃の数分前。
ユキ達は今、タクミのアジトのある山の中にいた。
タクミのアジトは山の拓けた地にあった。基本白い大理石で覆われた建物で、玄関から広がる造形物や階段もすべては大理石だ。そのおかげで遠目で見ると、山の緑と空の青さ、雲のような真っ白な建物の色合いが美しく、厳かな雰囲気を持ち圧倒されるものがある。それに加えかなり広い建物のようだ。部屋が多いのか横長に広がり、窓の数も多い。襲撃が来たとしても、弓で外にいる敵をどこからでも射抜ける。弓を得意としているタクミらにとってはうってつけの場所と言えた。
そのころ、ユキとセンはタクミのアジト付近でお互いの部隊の知らせを待っていた。
ウェジットはカグネ王国の兵の部隊編成と作戦の共有と、スバルは隠密部隊の指揮を執っていた。ユキは一応カグネ王国の兵の指揮を執る権利は一時にはあったが、それはスバルを救出するときだけのものだったので、それらはウェジットに任せ、ユキは動けるコントラス王国の兵に指示をするだけだった。そこにはもう作戦も伝え、それぞれ配置してもらっている。センの合図で一斉に攻撃する予定だ。コントラス王国の兵だとバレないように服装もカグネ王国のものに変え偽装もしたし、やることがなくなったのだ。
一方センたちは、センとスバルはそれぞれ襲撃部隊と隠密部隊とで指揮を分けて連携を取る事にした。センの方も一通り終わり、スバルの報告待ちだ。それぞれ仕事が終われば、取り決めた場所で落ち合うことになっている。
となると他より早く仕事が終わったユキとセンが自然と二人きりとなるわけで。
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