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「賞金稼ぎがきたし、そろそろ潮時ね。じゃあね、お嬢様。老いぼれの血は不味いけど我慢してあげる」
リダはエマへと手を伸ばした。
それが中途半端に止まる。
「何これ?!」
指先から徐々に灰になっていく。
思わず手を振る。
それは加速し、瞬く間に片腕が消えた。
「俺の血は毒だったみたいだな」
嘲るような声がする。
首を押さえながらアルが立ち上がった。
「っ!何で生きているの?!」
「答えは簡単。俺が魔のものだから」
「同族?!」
リダの言葉にアルはあからさまに嫌な顔をした。
「あんたとは一緒にして欲しくないな」
話している間も身体は灰になっていく。
リダの額から幾つもの汗が流れていく。
「助けて」
「血を吸ったのはあんただろう」
「同族の血が毒だなんて知らなかったのよ!お願い助けて」
消えていく身体を引きずりながら、アルに近づく。
「助けーー」
その言葉を最後にリダの身体は完全に灰となって消えていった。
「……ん」
ヤンと名乗った男が意識を取り戻す。
「全て終わったよ」
アルは優しく声をかけた。
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