Bounty hunter

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▽ 「あなたはヤンの孫だったのね」 「騙していてごめんなさい。ミス・エマ。僕はギーといいます」 三人は応接間のソファにそれぞれ座り、話している。 寝間着だったエマは軽く上からブランケットを羽織っている。 その端を掴み胸元に手繰り寄せた。 「祖父から話しは聞いていたんです。何度かあなたを助けに行こうとしたが、怖くて動けなかったと言っていました」 「そこで俺の出番ってわけ。話しただろう?ヤンが襲われているところを助けたってさ。そこで正式に依頼されたのさ」 「そう……なのね」 エマはうつむく。 「この先どうしたらいいのかしら」 誰に言うでもなく呟く。 「こんな歳だけ重ねて……一人ぼっちになっちゃったわ」 「ミス・エマ。これを」 「手紙?」 エマはギーから手紙を受け取る。 「祖父からです」 「ヤンから」 レターオープナーは部屋にある。 戻る時間も惜しい気がして、手で開けることにする。 期待か不安か。その両方かもしれない。 エマの手は震えていた。 手紙をひろげ、読み始める。 文字を目で追う内に瞳から涙がこぼれ落ちてきた。 『親愛なるエマへ』から始まるそれは、『友の危機にはどこにいても駆けつけるよ、とは言っても今回は孫に行かせてしまったけどね』と締め括られている。 封筒の裏に記された『永遠の友ヤンより』という文字を指でなぞる。
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