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「おわあぁぁっ、あぅあぅ、おっおっ」
元橋は急に泣き始め、周囲はそのおぞましい声に驚き、視線が集中する。
「ちょっと元橋さん」
「雷がぁ、雷が真横にッ。リアルに肩スレスレに落ちたんですよーーッ!」
元橋はボロボロ泣き、涙がサエコの袖にシミを作る。
「冷たいってば。元橋さん!」
サエコは腕をブンブンさせるが、セミが木にしがみついてるみたいに離れない。
「一体どうしたの」
「雷が、僕を狙っていくつも落ちたんです!」
「それは元橋さんに問題があるからね」
「問題?」
「元橋さん。家庭や友人を大切にしてます? 相手の気持ちを大事にしています?
夢の中の出来事ってね、今の自分の行いが良いか悪いかを判断出来る材料だといいますよ。
悪い夢なら元橋さんの行動を見直す必要があるってこと。じゃないと雷の夢を毎日見続けるかもしれないね」
「ええぇーーっ!」
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