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全てにおいて置いてけぼりにされた瑞野はその話をポカンと口を開けながら聞いていた。 「じゃあ、母さん、来ないの?」 「ああ。俺が明日、送り届けると言ってある」 「――――な……」 まだ言葉にできずにいる瑞野の腕を引き、久次は立ち上がらせた。 「ほら、行くぞ」 「行くってどこに―――」 「決まってるだろ。音楽ホールだよ」 久次は笑った。 「練習の成果、聞かせてくれるんだろ!」
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