3116人が本棚に入れています
本棚に追加
今日は遅番。
三十分の休憩に入り、バックルームに続く扉を潜り、従業員専用の食堂へと急ぐ。他店の従業員達を尻目に私は一人で腰を下ろしてひと息ついた。
そして、自分で作った生ハムサンドを食べながらヘンリーズコーヒーを飲んで、スマートフォンでお仕事探し。
「懐かしい香りだと思えば…君の飲んでいるのはヘンリーズコーヒーだな…」
「えっ?あ・・・」
彼の体型に誂えたオーダーメイドのダークブラウンのスーツ。
サラサラした黒髪を清潔に切り揃えたツーブロックヘア。
茶色のシムレスフレームの眼鏡を掛け、黒い切れ長の瞳は落ち着いた知的な光を宿す。
顔は整い、長身で店の従業員と言う雰囲気はなかった。何処かの店舗の責任者だろうか…
最初のコメントを投稿しよう!