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そして、店内を回る。
通路が意外と狭い『セボン』
カゴを持って店内を回るにも、対向の人を気にしてしまう。
「君は?佐久間さん・・・」
神戸社長が私の姿を見つけた。
「あ…神戸社長…」
「買い物かい?」
「あ…はい…」
と言っても、かごの中に入ってるのはレモンケーキ一個。
彼に話し掛けられると分かっていたら、もっと一杯カゴの中に入れておくんだった。
「じゃ私はこれで…」
と神戸社長に背中に向けたら、誰かに肩を掴まれた。
「貴方…ずっと…見てたら・・・店内をずっと回って不審な動きをしてるわよね…」
「私は別に…」
振り返って反論する。
「何をそんなに怒ってるんだ?鈴木店長」
「昨日も万引きの被害にあったんですよ…神戸社長」
彼女は神戸社長に訴える。
私が万引き犯って・・・
確かにまだお金を払ってないけど。
「…鈴木店長…彼女は俺の知り合いだ…万引きなんてしないよ…」
「神戸社長のお知り合い??」
「え、あ」
私は神戸社長の方を見た。
鈴木店長も社長の知り合いだと知り、私に対しての無礼を詫びた。
「…お詫びだ…君の好きなモノを買ってあげるから…選びなさい」
「えっ?」
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