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プロローグ
人がなぜ夢を見るのか、ご存じだろうか。
ここでいう夢は、将来なりたい職業とかじゃなくて、眠っているときに見る夢の話だ。
レム睡眠とかノンレム睡眠とか、脳が情報を整理しているとか、そういう話は聞いたことがあるけれど、詳しいことはよくわからないという人が多いんじゃないだろうか。
今も科学的にいろいろな研究がされているようだが、未だに真相は明らかになっていないとも聞く。
そんな謎多きテーマである夢だが、僕は我が身をもって、人が夢を見る仕組みを理解することになったのだ。
もしも僕の体験を信じてくれる人がいたとしても、できれば論文などにまとめて学会に発表するという行為は避けてもらえるとありがたい。
今回する話は、そういう科学的な難しい話ではなく、あくまでも一つの出会いと別れの物語なのだ。
それでは、僕が出会った一人の少女との物語を始めよう。
少なくともこれは、僕が本当に体験した、夢のようだけど紛れもない、現実の話なのだ。
もしかしたら、あなたの街にもいるかもしれない。
人の夢を司る、夢使いが。
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