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山川と高坂が朝から出かけて行った後。
「おはよう!町田さん居てるー?」
…え?
メールチェックしていると聞き覚えのある声がして町田は顔を上げた。
「中河原先生!どうしたんですか?!」
町田は、立ち上がった。
「どうしたって、会いに来たんやん」
中河原は、ニコニコ笑っている。
「あ、これデッサン描いてみた。昨日言うてたやろ?カレンダーのこと」
中河原はファイルをポンと町田の机に置いた。
「え?もう描いて下さったんですか?」
「うん、なんかあれから目が冴えて寝られへんかってん…」
そう言いながら町田のことを上目遣いで見つめてくる。
「あ、はあ…」
「先生!良かったらこちらに」
愛子が機転を効かせて応接コーナーに案内する。
「今、コーヒーお入れしますね!あ、吉田くん、ごめん、シュークリーム買って来てくれる?先生お好きですよね!」
「うん、好き好き。吉田くんごめんな」
中河原が吉田に笑いかける。
「いえ!大丈夫です!すぐに」
吉田は、バタバタと出ていった。
愛子は、コーヒーを淹れる為に給湯室に行ってしまった。
町田が向かいのソファに座ると中河原は、すぐに隣に移動してきた。
「町田さん、逢いたかった…」
と抱きつかれキスをせがまれる。
「せ、先生、ここは職場ですから!それに、昨夜会ったばかりじゃないですか!」
町田は、慌てて中河原の腕を解く。
「ええー、だって昨日は、ちゃんとキスしてくれへんかったやん…」
中河原は、またしつこく腕を回してくる。
町田は、給湯室をチラッと確認してから、チュッと中河原にキスをする。
「あかん!もっとちゃんとして」
「ええっ?」
仕方なく町田は中河原に腕を回し、深くキスをする。軽く舌も絡める。
「もう勘弁してください!」
カチャカチャと愛子がコーヒーを運んでくる音がして、町田は中河原を離した。
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