3

4/4
前へ
/44ページ
次へ
「町田さん、今度いつ来てくれるん?」 帰りがけに中河原が町田にしなだれかかって聞いてきた。 「あ、えーと、このカレンダーの件で、近々…」 愛子が聞き耳を立てているので、余り余計なことは、話したくない。 「わかった、待ってるわな」 「あ、エレベーターまで送ります」 二人で事務所をでて、エレベーターを待っていると、中河原は不意に手を繋いできた。 あ…と思ったが、誰も見ていないし、少し面倒になってそのままにする。 チン…とエレベーターが到着した。 乗り込もうとした瞬間に中河原がグッと身体を寄せてきて、またキスをされてしまった。 エレベーターが開き、山川が降りてきた。 「わー!な、何やってるんですか?!」 「わ!」 町田は、慌てて中河原を突き放す。 「あー、山川くん、おつかれさーん」 中河原は、ヘラヘラと笑って言った。 山川は驚いた顔のまま営業所に戻っていく。 …ヤバいな。愛子さんに言われるかも… そう思ったけれど、また別の事が起ころうとしていた……。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

62人が本棚に入れています
本棚に追加