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「な、何言ってんだよ!お前、男がダメだから俺に頼んで来たんじゃないのか?!」
町田は、驚いて山川から身体を引く。
「そうだったんです!そうだったんですけど……」
顔を覗くと真っ赤になっている。
(なんなんだよ!コイツ…)
泣きそうになっている山川をつい抱きしめたい衝動にかられる。
(モテ期なのか?!俺……)
町田は、36年生きてきて、初めてのことに戸惑う。
そりゃあ今までも相手が切れることは無かったけれど、中河原も山川もルックスがとてもいい。相手に困るような人達ではない。
「こないだから、中河原先生とのことを想像したりしてました。それで…」
山川は、ビールをゴクゴクと煽る。
「キスしてはったのを見てしまってから…俺もされたいって思ってしまって……」
「そうか……」
町田は、山川の肩をポンポンと叩く。
「町田所長が悪いんですよ?なんていうか……」
「何だよ?」
町田は、山川を見る。
「愛子も言うてたけど…なんか色気があるっていうか。俺、男性相手にこんな気持ちになったのは初めてです……」
もう無理だった。町田は抑えが効かなくなってしまった。
「分かった」
「え?」
町田は、ビールの残りを飲み干し「行くぞ」と言った。
「行くって何処にですか?」
「ホテル」
耳元で言うと、山川は耳まで真っ赤になった。
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