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私の親と唯純の親は仲がいいから、私と唯純が仲良くなったのか。
はたまた、逆か。今となっては思い出せないけれど。
気がつくと私たちは、幼稚園のすみれ組からずっと一緒だ。
「唯純と一緒に寝られるの嬉しい」
「僕も」
「眠りたくないね」
「ね」
「ああでも、明日の朝はマクドナルド連れて行ってくれるって言ってたね。早く寝ないと」
「寝坊したら置いていかれるかもしれない」
「寝ないと。あ~、でも、寝たくない~」
唯純は布団から手を出し、私の手をぎゅっと握る。
「こうしてれば、夢の中でも一緒にいられるんじゃない?」
唯純はロマンチストだ。負けず劣らず、私も。
「じゃあ、夢で一緒に空飛ぼう」
「いいね」
「ピーターパンとティンカーベルみたいにさ」
「きっと楽しいね」
「ね」
私はゆっくりと瞼を閉じた。
右手に唯純のぬくもりを感じながら、安心して寝入ってしまった。
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