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。o○☆○o。.
「はるちゃ~ん」
あのこが、高い声で私の名を呼ぶ。私の名前は陽乃。
広い、野原で、彼が両腕を大きく振る。
そんな姿が、どんな女友だちよりも、大好きで、大切で。
私も、気持ちとともに両手を振り返す。
唯純(いずみ)が、大きく振りかぶって、大きな青いゴム製のボールを投げてくる。
私はそれをうまくキャッチ。
「行くよ~、唯純」
「わわ、強くしないでよ、はるちゃん。運動神経いいんだから」
「男の子が、何言ってんの」
唯純は小柄で、私とあたまひとつ分背が違う。
顔の創りも、女の子みたいだ。
よく、私と唯純は、”仲良し女の子“として見られたりする。
昔から一緒で、これからもずっと一緒。
揺らぎないもの。
遠くの方で、太陽が明々と燃えている。
沈みゆく夕日に、私は憶いを馳せる。
夕日が沈んでも、また昇って、また沈んでも。
私と唯純はいつまでも一緒。
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