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。o○☆○o。.
「はるちゃん、はるちゃん」
給食を食べ終え、食器を配膳台に戻していたところ、唯純に声をかけられた。
人懐こい笑顔はいつものこと。でも口許がほころんでいる。
「なに、唯純」
「ちょっときて」
そう言って唯純は、廊下へ出て行く。
私がついてきたのを見、きょろきょろと辺りを確認してから、にこっと笑った。
「なに」
「じゃーん」
彼は名札をひっくり返してみせる。
名札の裏側には銀色に輝く100円玉が。
「すごい、唯純。ヒコーキ買えるじゃん!」
尚もにこにこする唯純。
「どうしたの? もらったの? お母さんに?」
「うん、昨日、肩叩いたお駄賃」
「帰り、みどりやでヒコーキ買って帰ろ~」
「うん、そのつもり」
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