きみと生きたい

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“みどりや”とは小学校近くの駄菓子屋で。 “ヒコーキ”とは発泡スチロール製の、胴体と左右の翼を切り込みに合わせて嵌めるだけの、飛ばして遊ぶ飛行機の玩具だった。 それが買えるのはごくたまのこと。 小学校低学年には、100円とは大金だった時代のことだ。 「はるちゃん、あの野原で一緒に飛ばそうね」 「うん。やった~、唯純大好き!」 私はなんのてらいもなく唯純に抱きつく。 背の低い唯純のあたまを抱きかかえる形になるんだけど、唯純甘い髪の香りが幸せを増幅させた。 あの頃から唯純は。 私を一身に受け止めてくれていた。 抱きついた勢いで、小柄な唯純はよろけそうになってでも。
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