第4話 秘密の同居

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第4話 秘密の同居

「ねえ、1つ気になってたんだけど」 蓮くんは、ふと思い出したように、私に向かって話を切り出した。 私、知らない間に何かやらかしてしまったんだろうか……。 「な、なんですか……?」 不安になって聞き返すと、「そこまで大した話じゃないけど」と言いながら、私のことを顎でクイと合図した。 「敬語」 「えっ」 「使わなくていい。同い年なんだし、堅苦しいからタメ語で」 いやいや、急にそんなこと言われても……! オタクの分際で推しに対してタメ口をきくなんて、出来るわけない……! あくまで、大勢のファンの1人として紛れていればいいものを。 ファンの中には、メンバーのことを恋愛的な意味で好きになる『ガチ恋』と呼ばれる人や、推しから認識してもらいたい、認知してもらいたいって人もいるけど。 私は、なるべくひっそりと隠れて応援していたいタイプなのだ。 まぁ、今回の蓮くんとの同居生活はイレギュラー中のイレギュラーだから、そこはしょうがないけど……。 「とにかく、そっちこそ変に気を遣わなくていいから。敬語禁止な」 そんな風に言われてしまったら、もうYesしか選択肢がないじゃないか。
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