第3話 オタバレは突然に

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「……そんな風に思ってたんだ」 「はい、まぁ結果的にはバレちゃいましたけど……」 気まずい気持ちを隠すように、頭の後ろをかきながら、目線を横へと外した。 「そうやって俺のこと考えてくれてたのは……素直に嬉しい」 「えっ」 「プライベートを詮索してきたり、後つけてきたりするような人も、中にはいるから。配慮しようとしてくれてたのがありがたいって話」 まさか、こうして感謝されるなんて思ってもみなかった。 予想外の反応に、何も言葉を返せないでいると、蓮くんは口の端をきゅっと上げて、私に笑いかけた。 「それに、気づいてたよ俺」 「え……!?私がナイクラオタクってことにですか?」 なんて事ないように蓮くんは、サラッと発言した。 それ、私にとっては重大案件なんですけど……!? 「あんなに挙動不審なら、普通になんとなく気づく」 蓮くんは口元に手をやって、笑いをこらえている。 「うぅ……ごまかせてたと思ってたのに……」 聞けば、私が蓮くんのことを一目見て、すぐさま玄関の引き戸を閉めた時から、怪しいと思われていたらしい。 でも!あれは衝撃的過ぎて、普通にする方が難しいと思うけど。 「そういえば、まだちゃんと挨拶してなかった。これからよろしく」 蓮くんは改まったように、私の方へ体をきちんと向き直してから、そう言った。 昨日あったアレコレのせいで気まずくなったから、私、夕飯一緒に食べてなかったんだよね。 だから、今ようやくスタートラインって感じ。 最初はどうなることかと思ったけど、これなら、推しとの同居生活も一応(?)大丈夫そうかも。 私も蓮くんに応えるように、ピシッと姿勢を整えて、挨拶した。 「こちらこそ、これからよろしくお願いします……!」
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