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暁は毎日キスするようになった。
そしてその回数が徐々に増え、そして・・・。
いつものように近づいてくる暁の唇。
『口開いて』
不意にしたその言葉に思わず開いたその口に、暁も口を開いて触れる。そしてその瞬間、入ってきた暁の舌に僕はびっくりして口を離そうとしたけれど、がっちり頭を固定されて出来なかった。
口の中で蠢く暁の舌。それは僕の歯をなぞり、頬の裏や上顎に這っていく。
身体がゾワゾワする。
暁の舌が口の中を触れる度、身体が落ち着かなくなって肌が粟立つ。そして下肢が熱くなる。
やだ・・・離れて・・・。
初めての感覚に僕は怖くて暁を離そうとするけど、全然ビクともしない。
この時の僕達はかなりの体格差があった。
小学5年生にしては小柄の僕はまだ身長が140cmをやっと越えたくらいだった。対して暁はその時すでに164cmあった。そんな暁にのしかかられ、背をソファに押し付けられたら身動きなんて取れるわけがない。
いつまで続いたのか、僕が本格的に泣き始めてやっと離れた唇は互いの唾液で濡れ、腫れたようにじんじんしていた。
『・・・いやだった?』
いつもならすぐに隣に戻るのに、このときの暁はそのまま僕にのしかかり、上から僕を見つめていた。
『・・・こわ・・・こわかっ・・・た・・・っ』
あまりのことに嗚咽が混じる。
『ごめん。だけどオレ、ヒナとちゃんとしたキスしたかったんだ』
ちゃんとしたキス?
キスなら今までだってしてたじゃん。
『こん・・・こんなの・・・キ・・・スじゃ・・・ない・・・』
キスって唇が触れるんでしょ?
こんな・・・こんなぐちゃぐちゃのじゃない・・・。
『これがキスだよ。これが本当のキス』
そう言ってまた顔が近づいてくる。
『ヒナはいやだった?でもオレはしたい。もう一度させて』
すると僕の意見も聞かずに唇を合わせ、さっきよりもっと激しく舌を使い始める。
ぐちゅぐちゅと唾液が音を立て、静かなリビングに響き渡る。
そして糸を引きながら暁の舌が離れていくと、僕の身体は熱を帯び、ビクビクと震えていた。そして、信じられないところが痛い。
『気持ちよかった?ここも、解放してあげよう』
そう言って僕のズボンに手をかけた暁にびっくりして、その手を掴んだ。なのにその手を逆に押さえ、暁は僕のズボンをずらしてしまった。するとそこが勢いよく勃ち上がる。
『なにこれ・・・?』
僕はその初めての変化に怖くなる。
こんなに大きくて硬くて、そして、なんで持ち上がってるの?
自身の初めての形に怖くなってまた涙が溢れ出す。
『僕・・・病気なの?』
怖くて縋るように暁を見るのに、暁はそれをうれしそうに見てる。
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