幼なじみ

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その後の僕達はと言うと、2人で会うのは暁が嫌がるからと飛鳥は他の友達も混じえて話すようになった。またその友達もさすが飛鳥の友達、てくらい良い奴ばかりで、最初こそ暁の影に脅えていたけど中間試験が終わる頃には普通に接してくれるようになった。 そして僕は髪の毛もすっきり整えてもらい、顔も隠すことなく晒している。とりあえず暁の横にいても恥じることの無いくらいの見栄えにはなったかな? そんな僕の隣には相変わらず有名人の暁がいつもくっついている。学校への行き帰りはもちろん、お昼も一緒に食べるようになった。 周囲には特に番のことは言わなかったんだけど、フェロモンが出てないオメガの僕のうなじに歯型があり、アルファの暁がベッタリくっついて、しかもしっかりマーキングもして周囲に威圧をかけているのだから、もう丸分かりもいいところだ。しかも僕の発情期欠席に一緒に休むんだから、ね? その件に関しては学校からは何も言ってこない。まあ、別に問題が起きたわけじゃないから静観してくれてるんだろう。 そして僕達は相変わらず家でベタベタくっ付き合っている。 学校から帰ってきて、まだ着替えもしていないというのに、僕達はリビングのソファに倒れ込んで唇を合わせている。 くちゅくちゅと舌を絡ませながら、服の下に入り込んだ手が脇腹を上がってくる。 「ヒナ・・・大学行きたい?」 不意に暁が唇を耳元にずらして訊いてきた。 キスでぼうっとなってる頭ではよく理解できないけど、大学は普通に行くつもりだ。 まだ高校も入ったばかりなのになんで・・・? そう思っていると耳に舌を入れていた暁が、僕の耳朶を噛んだ。 「あん・・・っ」 身体がゾクゾクする。 「オレだけのヒナでいて欲しい。それに・・・」 服の下の手が胸を優しく弄り、敏感な先端に触れる。その快感に身体が小さく跳ねた。 「7年も待てない。今すぐオレの子供を生んで欲しい」 そう言って熱く猛った昂りをズボン越しに僕に押し付けた。 発情期では無いのでそこまでの欲望は無いはずなのに、それでもその熱が欲しくて仕方が無くなる。 ズボン越しがもどかしい。 僕は手を伸ばして暁のベルトを外し、直に手を入れて暁のものを握った。それを合図に暁は僕の服を脱がし、僕達は今日も飽きずに身体を重ねていく。 その後の僕の人生はどうなるのだろうか? 普通に大学を出て出産か、はたまた大学には行かずに出産か、それとも高校すら卒業出来ずに出産か・・・。 どの道暁の子供は生むんだろうな。問題はそれがいつになるかだ。 きっとそれは神・・・いや、暁のみぞ知る、だろう。 後孔を激しく突かれて翻弄される身体で必死に暁にしがみつきながら、このままずっと暁に支配されていたいと願ってしまう僕は、やっぱりオメガなんだと実感した。 了
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