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『だけど、ヒナはオメガなんだよ』
そう言って、暁は僕のズボンを脱がした。それを僕は腰を浮かして手伝う。
変だと思っても、一度覚えてしまった気持ちいいことってそう簡単にやめられない。
学校から帰ってきて暁の家のリビングに入ると、僕の身体はこれから始まる気持ちいいことを期待してじんじんし出す。
本当はいけないことなのに・・・。
今日の授業で習ったことが頭に浮かぶ。だけど、快楽は麻薬のように身体を支配する。
『ヒナのここ。もう大きくなってる』
そう言いながら唇を合わせる。
『ヒナはオメガだよ。だから最初の発情期でうなじを噛むから』
キスの気持ち良さと下肢を重ねた快感に、呆けた頭は暁の言葉を理解しないまま頷いた。
そしてその日、一緒に触り合うだけじゃ満足できなくなっていた暁は僕の後孔に指を伸ばし、解し始めた。
それにはさすがに抵抗したものの、もっと強い快感を得られると言われて僕の理性が抗えず、後ろを許してしまう。
そうして触り合いから、最後まで身体を繋げるようになるのに、そう時間はかからなかった。
そしてそれに親は一切気づいていなかった。
いつまでも仲のいい子供たち。
親たちは手のかからなくなった僕達に安心していたのだと思う。
親が見ていなくてもいたずらをするわけでも、学校から呼び出されることも無い。友達とトラブルも起こさないし、言わなくてもちゃんと宿題をして勉強もする。
だから安心して放任していた子供たちが、実は誰もいない家で睦みあっていたなんて、想像もしていなかったと思う。
僕達は毎日親たちの知らないところで暁と身体を繋げていた。だけど、僕は自分の心が分からなかった。
身体は暁を求めてしまう。
気持ちいいことに弱い身体は暁の手を感じると、すぐにもっと触って欲しくなる。
キスして、触って、握って、そして挿れて欲しい。
だけどいつも心が置き去りになる。
終わったあとに残る僅かな罪悪感。
暁は僕を好きだと言ってくれる。
好き。
愛してる。
誰にも渡さない
暁はいつ、僕への気持ちが変わったのだろう?
幼なじみで、いつも一緒にいた僕達は本当に家族で兄弟のようだった。
そんな相手にいつからキスしたいと思ったんだろう?
いつ、何がきっかけでそう思ったのか。
そして僕は・・・?
僕の身体は暁を求めてしまう。でも心も、暁を求めているのだろうか?
暁のことは好き。
嫌いなわけが無い。
気がついたらそばにいて、いつもいるのが当たり前で、いないことなんて想像できない。
でもそれは、暁が僕に言う好きと同じなのだろうか?
その答えが見つからないまま、僕はまた暁と身体を繋げている。
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