友の願い

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 そして、五百年の時が流れた。  俺達は、誰一人として命を落とさず生き続けていた。ニュース番組で誰かが死亡したとか、病気になったなんて全く聞かなくなったのだ。  そして、大きく発展した文明。時が経てば経つほど、人の技術力の素晴らしさを思い知らされる。  人の移動を楽にする転送装置。地震や津波等といった自然災害を絶対に起こさせないようにするシステム。人の生活を脅かすものに真っ向から立ち向かう技術が次々と開発されてきた。  そんな変わり続ける社会の中で、俺は今も変わらずゲームプログラマーの仕事を続けている。  その理由としては、俺にはこの仕事しか向いていないということと、この永遠とも言える人生を送っていれば、退屈に思うことも必ずあるだろうから、少しでもその退屈さを解消するために、ゲームという娯楽を提供し続けようと思ったんだ。  ……って、なーにカッコつけてんだ俺。ぶっちゃけ、ただ向いているって理由だけだけどな。ヤベっ、せっかくカッコつけたのに台無しにしちまった。  こんな俺と違って大和は揺るぎ無い信念を持って、仕事に勤しんでいる。そんな大和に俺は心から尊敬している。  それはさておき、今日の朝ニュースでやっていたのだが……。  近いうち、巨大隕石が地球に落ちるらしい。
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