友の願い

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 その後、結局一睡も出来ず朝がやってきてしまうのだった。  ああ、どうしよ……。仕事中眠くなるパターン来るぞこれ。  しかし、一睡も出来なかった割には不思議と体のダルさや瞼の違和感は感じなかった。  顔を洗い、リビングに行ってイスに座り、母が用意してくれた料理を口に放り込む。  その時、味に違和感がした。  不味くはないのだが、満腹の時に食べた時のように味覚が鈍ったような感じがしたのだ。 「あら? どうしたの?」  俺が怪訝な顔をしていると、近くでご飯を食べている母が聞いてくる。 「なんか味が薄く感じるんだよな。風邪でもひいたかな……」 「そうなの? おでこは熱くないみたいだけどねぇ……」  と、俺のデコを触って確認してくる母。 「体調は悪い感じがしないんだよな。むしろ、調子が良いような気がするんだ。昨日一睡も出来なかったのにな」 「何それ、変なの。あっ! ……あんたまさかヤバイ薬に手を出してないでしょうね」 「く、薬はやってねぇよ!」
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