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「──……、こはく、」
背後から零された甘い声に、ぶるっと体を震わせた。
もう、数え切れないくらい肌を重ねてるので、その時々の仕草や温度、表情、声でなんとなく考えてることが分かる。耳を擽るみたいに唇をあてながら零すその声色。それは、燐くんの、もっと、という合図だ。
「だめ、だ、めっ、ぁ、」
「なんで?まだ琥珀の中は余裕そうだけど?」
「ふぁ、っ、……しちゅー、さめちゃう、」
「1回置かせて味染み込ませた方がより美味いんだって」
ほとんど料理なんてしないくせに、なぜそんな知識を持っているのか、そして発揮するタイミングは明らかに今じゃない、なんて、色々言いたいことあったけど、ぐちゅ、と卑猥な音を立てて再び入ってきた熱に、シーツに縋り付いて嬌声を染み込ませていく。
「はっ、はぁ、あ、んっ」
「、あー、やっば。久々だから腰止まんない」
「む、り、」
「くそ気持ちーんだけど、朝までやっていい?」
「ぅあ、っ、……しちゅ、」
「はは、琥珀さっきからシチューのことばっかなんですけど。え、俺、シチューに負けてんの?」
悠々と会話を続けながら、打ち付ける腰の動きを止めない燐くんはまだまだ元気そうだ。
負けてるというか、大好きな燐くんが作ってくれたシチューだから出来たてのうちに食べたかった、というのが本音だけど、それを途切れ途切れで伝えたらさらに律動が激しくなってしまった。
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