〈序章〉第2節「魔王決戦」

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「奏、案内はたのむぞ?」 ロイトがそう言うと奏は頷いた 「そこを曲がって。」 「そこは左ぃ...」 「一個先で曲がる...」 そうして何回か奏が言った通りに進んで行くと如何にも魔王が居そうな大きな部屋に辿り着いたがそこには誰もいなかった 「奏?本当にここにいるの?」 「この奥にいると思う。」 すると突然部屋の中心に大きな炎が現れた 「あいつは...俺はここで帰るぜ、あいつとはやれねぇ...」 すると突然 茶髪の悪魔が小声でそう言った 「ま、待てよ!」 「無理だ...すまねぇな。''転移''」 そう言って茶髪の悪魔は消えて行った 「はぁ?」 そんなやり取りをしているうちにいつの間にか火は消えていた 「フルーレ様の前にこの私、紅金(あかがね)のマヴェリアがお相手いたしましょう。」 突然赤髪の騎士姿の悪魔が現れた そしてしばらく間が空き 「では、貴方はこのスロイドが一人でお相手致しましょう。私以外は先に進んで下され」 「待って...そのマヴェリアって人は幻え......」 リアメルの声が突然止まった 「感がいいのね。でも喋ったのが間違い...''ファイアーボム''」 勇者達の後ろからフルーレがそう言うとリアメルは喉を抑えながら床に膝をついた 「リアメル!!大丈夫か?!」 もう声が使えなくなったというのにリアメルは軽く頷いて手書きで魔法陣を作り出した 「流石は勇者の連れね。」 「魔王とはいえ卑怯ですな」 スロイドはそういいつつ赤く光る細い剣を持ちながら自分の手を霧のようにして消した するとフルーレの上にスロイドの雷雲が突然現れた 「''アクアウォール''」 1度の詠唱で何故か2枚の壁がフルーレの上に現れた その直後フルーレの前に落ちるはずの雷がフルーレのすぐ後ろに落ち、耳が痛くなるような轟音を鳴らした 「っ!?」 フルーレは後ろに雷が落ちて困惑したが振り向いた瞬間、後ろから足に赤い剣が突き刺さり赤い剣は更に濃い紅で染め上げられた 「魔王を名乗る者がそう油断してはなりませぬ。これはリアメル殿のお返しですぞ?」 といいつつスロイドは足から剣を引き抜き、手の甲を向けて挑発した 「この人間風情が...」 異様な圧を感じる程の殺意を向けた低い声でフルーレがそういった
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