〈序章〉第2節「魔王決戦」

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「''イリュージョンスモッグ''」 突然フルーレがそう唱えるとフルーレを中心に濃い煙が直ぐにその部屋を灰色に染め上げた その煙の濃度は体感で1mの距離が見えるか見えないかくらいの濃い煙である 「本領発揮ってか?...」 「ロイト!!後ろ!」 「っぶねぇ...索敵は苦手なんだよぉ...」 「''ダークボルテックス''」 フルーレがその魔法を唱えた瞬間に全員が少しずつある一点に吸い寄せた 「''タイダルウェイブ''」 どこからかそんな声が聞こえた途端、魔王の城が揺れ始めた この状況が理解できたのはこの場にいたフルーレとリアメルとアイシスだけだった 「何が狙いだ...魔王!」 「時期にわかるわ...」 そして突然部屋に大量の水が流れ込んだ 「こ...これはまずいですな...」 そして水が膝のところまで来た辺りで揺れが完全に収まった この魔法は大きな代償を払って放つ禁忌魔法とされる魔法の一つであり ''タイダルウェイブ''は津波を呼び起こす水の禁忌魔法である 放ったのは紛れもなくアイシスである 「''アブソリュート・ゼロ''」 津波の時と同じ声が聞こえると、その場の温度が急激に下がり始めた 「ロイト!逃げて!」 奏のその声にロイトは咄嗟に動こうとするもどうすればいいのか戸惑った そして違和感に気づいた時には遅かった 「アハハ!これで!これで全部終わりよ!!」 ロイトとスロイドの足は氷つきびくともしない そして突然の事態にその二人は理解が追いつかなかった 「ロイトぉ!!」 「''ライフ・オブ・エクスプロージョン''」 「''サンクチュアリ''ぃっ゛!!」 ほぼ同時にフルーレと声が使えないはずのリアメルが最後の魔法を唱えた...
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