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「美味しそうぅ...」
「遠慮せず好きなだけ食べていいわ、それと嫌いなものは押し付けて良いからね?」
「やったぁ......」
「「いただきます...」」
そして二人は少し長い時間をかけて食事を終わらせた
「量は足りた?足りないなら追加頼んでくるよ?」
「もう食べれない...」
「そう...なら明日は早いからお風呂に入ったらなるべく早く寝てね。私はロイトが来るまでは起きておくけど。」
「はいぃ...」
そして彼女は風呂を済ませ、寝ようとしている。
(お母さん...元気かな。私は今、幸せだよ...また会えるといいね...)
彼女...後の奏はそんなことを考えながら深い眠りに入った...
奏はただひたすらに、永遠にも感じる程逃げ続けた。
そしていつの間にか、茶髪の悪魔以外の悪魔にも追われていた。
「おいおいぃ、もう限界かなぁ?隠れてないで出て来いよぉ?」
「もういいよ、ルキア?遅いから。」
風で靡く白銀の髪に、フードで顔を隠した人物がそういった。
「ですが一人ですと......」
「言ってること理解できる?もういいっていってんの。鈍間。
僕を舐めないでくれるかな?僕一人で十分だよ。」
「申し訳ございません。」
茶髪の悪魔はその人物についさっきまでの強い態度が、まるで嘘かのような反応を見せた。
「それで、出てきてくれるかな?僕、女の子をいたぶるのは趣味じゃないんだけど?今なら楽に殺してあげるよ?」
だが返事は返って来ない
「もういいや、面倒だね。僕はそんな茶番見てらんないよ。」
謎の寒気を感じた奏はその瞬間、本能的な恐怖のあまり走りだしてしまった
「逃げないでよ。どうせ逃げ切れないんだから。最初からその死体の魔女を置いて逃げれば逃げられたかも知れないのにさ。醜いんだよそんな愛情の演技」
あぁ...私はあの時みたいにずーっと成長してない...あの時みたいに逃げてばっかり...
人一人すら守れなかった...やっぱり奴隷の私には荷が重かったのかな...
それももう終わりかぁ...直ぐにみんなのところに行くから待っててね...
そして奏は力尽き...崩れた壁にもたれこんだ
雨に交じって奏は自分が泣いているような気がした...
ごめんなさい...ロイト...リアメル...スロイド...お母さん...
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