7人が本棚に入れています
本棚に追加
「まず、逃げる時にアイシスを呼んで、勇者にやられた3人の遺体を回収して欲しいの」
「どうしても……どうしても逃げるのは前提なのですか……!」
マヴェリアはどうしてもフルーレを守りたいのか答えがわかりきった問いをフルーレに投げかける
「逃げないのは認められない……」
「まあ大人しく聞こうじゃないかマヴェリアよ……」
ベルガがそう言うとマヴェリアは顔をしかめて少し頷いた
「それで...その遺体は魔王城の外のある洞窟においてきてほしい。隣にこの水晶と手紙も置いてきてもらう」
「何でしょうこの水晶は?」
「これは少し特別な水晶。持っている者同士で会話のできる特殊な水晶。持っている全員がある条件を達成した時に使えるようになる……」
「条件……?」
「条件を知る必要はない。洞窟に置くための水晶と貴方達の分とアイシスに渡す分は揃えてある…1つの水晶には二人のうち、片方の魔力を少しだけ流し込んで」
「ならば儂が流そう。それにしても便利な水晶じゃのう……」
そう言ってベルガは水晶と地図と手紙を受け取り
ベルガは目を閉じて水晶に魔力を流す
「それで肝心の作戦だけど、私がどう呼ばれているか知ってる?」
「爆炎の魔王……でしょうか?」
フルーレの問いに対してマヴェリアは即座に返答する
「そうね...合っているわ。それで...私が最も得意なのは爆発属性の魔法。爆発魔法の中でも私にとっては ほぼ最強の技がある」
マヴェリアは考えるそぶりを見せてすぐに息を呑んだ
「やはり……!自爆するおつもりですか?!」
「えぇ...そうよ...万全の状態で城ごと消し飛ばすわ」
フルーレはベルガとマヴェリアの表情を見ずにその場で断言する
「それは…認めません!!!」
それに対抗するかのようにマヴェリアは耳が痛くなるほどの大声を張り上げた
「......相手は勇者だけじゃないのよ?復活の秘薬の1つや2つ相手が用意していたって不思議じゃない。でも私が城ごと吹き飛ばすなんて考えられるはずがない」
「しかし……!まだ城に残っている者もいるはず...」
「私は城の状況くらい把握しているわ。仲間はアイシスと私の娘のシストと12針の内の3人しか城にはいない。その3人のうち2人はアイシスのところに、1人は裏切り者だから巻き込んでも問題ない」
「......」
これ以上の返す言葉は思い浮かばずマヴェリアは俯いた
最初のコメントを投稿しよう!