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「心配せずともあの子…シストがいる。私はシストに掛けるわ。あの子ならやってくれると信じてるの」
「しかしッ!あの貧弱さでは魔王など務まりません……!」
少し強めにマヴェリアがフルーレの考えを否定する
「やってみないと…分からないじゃない?大体四天魔はまだ二人は動けるのよ?」
「はは……残念じゃが儂が見るにそれは無理じゃのう」
突然落ち着いた様子でベルガがそういった
「何故……?」
「逆に何故四天魔の一人であるルカスの情報が勇者に回っているのだ?あやつは自分の事は信用した奴にしか話さんぞ?だが……儂でも知らん情報が勇者に渡っとるんじゃよ」
「でも…ルカス以外の情報は回しようがないの。だから問題はない。
それよりも…大人しく言うことを聞いて欲しい。もう時間が無いから」
ルカス以外の情報は回せないというのも問題がないというのも大嘘である
だが勇者が迫ってきているためフルーレにはもうあまり時間は残されていなかった
「それなら儂は構わん……がマヴェリアはどうするんじゃ?」
ベルガはフルーレの焦りと感情を汲み取ったのかそれで構わないという事を口にする
「......」
マヴェリアはずっと俯いたまま黙っている
「私のことなんて…気にしなくていいの。どちらにしても敗けるのならこうするべき……こうするのが一番なの」
「もういいです……!どうせ何を言っても聞かないのでしょう?...」
「そうね...聞かないわ」
「だそうだ…………先を急ぐぞ……マヴェリアよ」
ベルガはそう言って水晶に魔力を込める行動を終わらせた
「一つ……言い忘れていたわ。あなたたちはこれからは魔界を離れていたほうがいいと思うわ……内通者に何かされてからじゃ遅いから」
「そんなこと言わずともわかっとるわい…」
「流石ね...二人共任せたわ」
「はい...魔王フルーレさま.........」
マヴェリア達はそういいながら消えていった
「ごめんなさい...マヴェリア」
「それで...どうしますか?魔王様…?」
白いネコがいきなりフルーレの横に現れた
「聞いていたのね...アイシス」
「ええもちろん。シスト様は12針の2人と共に逃げてしまいましたよ?」
アイシスと呼ばれる猫はこの状況でも冷静に淡々と言葉を発している
「シストにはこのことを伝えたの?」
「いえ、伝えていませんよ?」
「シストに…あの子に恨まれないといいけど...」
フルーレは少し自信のない震え気味な声でそう言った
しかしその表情は笑みのようにも思われる
「それで...渡すと言っていた物は?勇者達ももう守護者と戦い初めていますよ?」
「急がないとダメ……みたいね...」
そういいつつ水晶と箱をアイシスに渡した
「それとアイシスに頼みたいことがあるの」
「といいますと?」
「隙ができた時に勇者達が動けないように魔法を使って動きを止めてして欲しいの」
「分かりました」
「私の魔力も少し分けるから固定出来たら逃げてね…」
「はい...では私は隠れてきます」
勇者視点へ...
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