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悦はもう一度、呼吸を整えて挑戦しようとしていた。
そこへ、健太くんが泳いで来て、無理矢理悦を浜辺まで引っ張って行ったのだ。
波が悦に被って、息が吸えなくなったり、鼻から海水が入って、頭にツンと響いたりして、これではまるで、溺れた自分を健太くんが救助しているみたいだと、悦は思った。
「ちょ、健太くん、ちょ、けん・た・・く・・」
「大丈夫か?」
浜辺に悦を引っ張り上げて、健太くんは言った。
「僕、溺れてたの?」
息を整えながら、悦は言った。
「危なかったぞ」
健太くんは、いつもの笑顔になって言った。
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