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子供は成長するにつれて、行動範囲が広くなっていく。
中学三年生になった今では、悦は隣の学区の進学塾に週二日だけ通っていた。
その通う途中に、宇宙科学研究センターというのがある。
その施設名の冠には、国立と書いてある。
いったいここは、何をしているところなのだろうか。
いつもそこを通る度に、悦はそう思っていた。
ある日、塾の帰り道、すっかり日は沈んで、辺りはだいぶ暗かった。
十分な光量とは言えない、乏しい街灯が、かなりの間隔を空けて、設置されているだけで、大人でも少し恐怖を感じるところである。
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